知能は遺伝か環境か? 頭の良さを決めるものとは?

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知能
知能は遺伝か環境か──これは公言することがタブー視されているものの、実は誰もが知りたがっていることではないでしょうか。その答えはおそらく「遺伝の方が環境よりも知能に与える影響が大きい」です。

もちろん多くの議論がなされていますし、環境説を支持する学者もいるのですが、「知能の差異のかなりの部分が遺伝子の差」ということは脳や遺伝の研究者たちのコンセンサスになっています。

100%遺伝と言い切っているわけじゃないですよ。あくまで「遺伝>環境」ってこと。蛇足ながら、ここでは「知能(IQやg因子)」について言及しています。「知性・教養」については述べていません。

知能研究では一卵性双生児、二卵性双生児、そして双子ではない兄弟姉妹、養子がよく研究対象になります。

ミネソタ大学のトーマス・ブシャードらのグループが発表した一連の「ミネソタ研究」(”Sources of human psychological differences: the Minnesota study of twins reared apart.” ※リンク切れ)では、環境の影響は時間と共に薄くなる、つまり大人になるほど本来持っていた遺伝的な要素によってその人の知能が決定されるという結果が出ました。今後の早期教育研究との関連研究が興味深いですね。

また同じ家族で育つこと(環境)は、知能とはあまり関係がないという結果も出ました。例えば養子は育ての親の知能の類似性は全くなく、生みの親の知能に近いのです。

そして2003年のラドガーズ大学のルイス・マッツェルの研究で「知能の優れたマウスと平凡なマウス」が存在することが発表されました。(“Individual Differences in the Expression of a “General” Learning Ability in Mice” 概要のみ

「賢いネズミとバカなネズミがいるなんて当たり前じゃないの」ですって? いえ当たり前じゃないんです。これは知能に関連する遺伝子が存在するということだから。現在では夢物語ですが、いずれ人間の知能を決定する遺伝子が見つかるかもしれません。

なんか身も蓋もない結果であきらめのため息が聞こえてきそうですね。ではそんな方を元気づける別の研究をご紹介します。

2004年のロンドン大学の認知神経科学グループによる、タクシー運転手の海馬の構造変化についての研究“Navigation-related structural change in the hippocampi of taxi drivers”)です

ロンドンのタクシー運転手の脳をスキャンして、知能に大いに関係のある海馬という部分の形を調べたものです。

ロンドンの街というのは2万4千もの通りが入り組んだ迷宮のような構造をしています。タクシーの運転手はこれらの通りを頭に叩き込まねばなりません。この調査から、タクシー運転手の運転歴が長いほど海馬の形が大きく変化していることが分かりました。

これまで脳は年齢が上がるにつれて機能が低下するという説が一般的でしたから、記憶力を努力でアップするのも可能というのは驚くべき結果であると言えます。

知能は遺伝の影響が大きいけれど、脳は使えば使うほど発達するので環境と努力の影響も否定できないんですね。年齢や遺伝のせいばかりにしてはいけませんぞ。【麻理】

淡々と研究論文を紹介し、感情論や私見に流されていないのでいい。コンパクトにまとめられていて資料性も高い。堅いのでまじめに取り組みたい読者向き

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