「物理」と聞いただけで渋〜い顔をする方もいらっしゃるようですが実に残念。そういう私も物理の成績ずば抜けていたわけでもなく、どちらかというと苦手な方。でも社会人になっても科学系の本は好きでよく読んでいます。
苦手なのになんで好きなのかなあというと、多分理由は2つ。ひとつは几帳面な性格の私は理論できっちり説明がつくことに爽快感があるから。「なーるほど!」ってスカっとするんです。
もうひとつはこの世界がどんなふうになっているのかという説明にはセンス・オブ・ワンダーがあるからです。「宇宙はこんなふうになってるんですよ」なんて新しい学説が出たりするとワクワクしませんか?
でも私の高校時代、物理の時間はどんよりした空気が流れていました。物理のJ先生は教授というような風貌のおじいちゃん。優しくてにこやかな先生でしたが、もごもごと教科書を読むだけで、授業をしているのか独り言を言ってるのかよく分からないような感じでした。
私は授業中にコンタクトレンズを落っことしてしまったことがあります。隣の男子学生が「先生、五十嵐がコンタクト落としました!」と叫ぶと先生は「ああ、それは大変だ。探してあげなさい」と言ってくださって(当時ハードコンタクトは高価だったのです)、教室中の生徒が床にはいつくばって探してくれました。
嬉しさ半分恥ずかしさ半分でしたが、授業が中断してあまりにも嬉しそうなみんなの様子を見ると「J先生もうちょっと楽しい授業をした方がいいのでは……」と心配になってしまいました。
多分学校の物理が面白くないのは、本当に面白い部分に行く前で授業が終わってしまうからかも。例えばバスケやサッカーはやっぱりゲームをしてこそ面白さがあります。でも腕立て伏せみたいな基礎訓練やルールブックを丸暗記するだけで終了じゃ楽しくもなんともない。学校の授業は物理を理解するための基礎的な数式や問題ばかりです。
確かにそれも大切ですが、まず「へえ、面白いじゃん!」と生徒に思わせるのが必要ではないでしょうか。
そのためにはまず先生が面白がらなくちゃ。先生が「ねえ、こんな話知ってる?」と思わず人に話して聞かせたいと思うなら、生徒も耳を傾けてみようという気になるのでは。その後で「この話がちゃんと理解できるともっと面白いよ。だからこの数式が必要なんだよ」と順序を逆に教えてみたらいいのになあ。
科学アレルギーがある人は、案外食わず嫌いなだけかもしれません。科学の本は図書館の分類番号「4」の本棚にあります。やさしく書かれた優れた入門書はたくさんありますよ。ちょっとだけ本棚を覗いてみませんか?【麻理】
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