世界を救えないなら何もしない──なんて思わないで・寄付のすゝめ


アメリカ南部を襲ったハリケーン・カトリーヌ、ネット上にアップされている現地の画像を見たり、遅れている救援活動などを知って、なんとかならないものかと思った方も多いでしょう。そしてせめて寄付ができたらと考えた方もいらっしゃるでしょう。

でもそこで考えは進みます。

「いやでも、アメリカだけじゃなくて他にも災害に苦しんでいる人たちはたくさんいるじゃないか。災害だけじゃない、貧困、戦争、病気……様々な不幸に耐えながら必死で生きている人がいる。この日本にも地震や台風などの自然災害によって不幸に見舞われた人がいる」

「自分一人がちっぽけな寄付をしたって何になるんだろう。だいたい寄付金がちゃんと困っている人に届くんだろうか。お金だけ出してそれでいいわけじゃない。それにこれは自分の心の安心のための『偽善』じゃないだろうか……」

様々な事を深く考える真面目な人ほど陥ってしまう思考パターンだと思います。そして「世界を救えないぐらいなら何もしない」となってしまうのです。

「しない善よりする偽善」という言葉があります。某巨大掲示板で使われるようになったフレーズで、ちょっと毒を含んでいるものの、私は割と好きな言葉です。

いいじゃないですか、偽善でも。自分の心の安心を求めても。かえって「ボランティアなんだから見返りは絶対に求めちゃいけないんだ」みたいにストイックすぎる精神だと、途中で挫折してしまうでしょう。

世界を救わなくちゃなんて思わなくてもいいんです。そんなご大層なことを一人の人間ができるわけがありません。でもその時々で、やりたい人がちょっとだけでもやれることをやったらいいのでは。

オフ会でXiaolinさんからいただいた『世界を変えるお金の使い方』には100円からできる寄付やボランティアのいろいろを紹介しています。

例えば100円では「ポリオのワクチンをミャンマーの子ども5人に接種できる」「内モンゴルの砂漠に植えるポプラの苗木を10本買える」「アフガニスタンの子ども5人に教科書を提供できる」など、詳細や寄付金先が載っています。

この本に載っている最高額は、1兆2000億円。このお金で「教育の機会を与えられていない世界中の子どもたちが全員初等教育を受けられる」のだそうです。

1兆2000億円なんてとても個人では無理ですが、実は「世界全体の軍事費、4日分」なんですよ。なんだ、たったそれだけなのか。ボランティアの「善・偽善スパイラル」に陥ってしまいがちな方にお薦めな本です。【麻理】

全カラーページで、写真も豊富。分かりやすいボランティアの本。Xiaolinさん、ありがとうございました。

今日のサイト

FrontPage – ホワイトバンドの問題点

誤解を招くようなキャンペーンはまずかったかもしれない。でも世界の貧困を多くの人が考えるきっかけになったという意味では成功したと思う。

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