「酒は百薬の長」ではない!? お酒の思い出と吉田兼好の言葉


私は全くお酒が飲めません。お酒に強い・弱いというレベルではなく、私にとってはアルコールは「猛毒」というほどの劇物です。よく「酒は百薬の長」なんて言いますが、実は吉田兼好のこの言葉は続きがあるのです。

以前学生サークルの飲み会に参加した時のこと。「とりあえずビール」と乾杯したのですが、それまで全くお酒を飲んだことがなかった私は「苦くて不味いなあ」と思いました。でもみんな楽しそうにやっているので、おつまみを食べながらちょびちょび口をつけていたのです。

突然、心臓がこれ以上無理というぐらいに早鐘を打ち、頭が割れそうに痛みました。手足が赤黒くなり猛烈な吐き気が。慌ててトイレに駆け込んで吐いたものの収まらず、その場にへたりこみました。

驚いた友人によって病院に担ぎ込まれても全身が真っ赤なまま。太股と腕の内側にみみず腫れのようなじんましんが出て皮膚がぼこぼこになっていました。

一気飲みしたわけでもなく、たったビール一杯でこの有様。死ぬかと思った。その後習慣的に飲めば少しは強くなると言われ、訓練の結果なんとかビール一杯ほど飲めるようになりました。それでも苦くて全く美味しいとは思わないし、中毒症状が恐ろしくてアルコールは苦手なのです。

アルコールは肝臓によって代謝されます。お酒に強いかどうかは肝臓のアルコール分解酵素・アルデヒドデヒドロゲナーゼの活性度で決まります。遺伝的にアルコール代謝能力がほとんどない人は、血中のエタノール濃度が急激に上昇し、頭痛、嘔吐、意識の混濁などの症状が現れます。

私の一族は遺伝的にアルコールを全く受け付けない体質で、全員お酒が飲めません。お酒が飲める人というのは私にとっては「超人」。あの激しい毒物をあおりながら、顔色一つ変えずにケロリとしているとは!

アルコール依存症になる人がいるぐらいですから、強い人にとってはお酒は美味しくて仕方ないものなんでしょう。飲み会で陽気にニコニコしているお酒飲みを見ていると、楽しめることが私より多くていいなあとうらやましいのです。

酒は百薬の長」という言葉。吉田兼好徒然草の中で書いている言葉として知られますが、実は「酒は百薬の長といへども、よろずの病は酒よりこそ起これ」が本当。

つまり「一般に『酒は百薬の長』と言うけれど、全ての病気は酒が原因である」と言っているんです。お酒飲みの人がねじ曲げて使っているのですね。

私を亡き者にしようと企んでいる人は、苦労して青酸カリやストリキニーネを手に入れる必要はありません。コンビニに行ってワンカップ●関を買ってくれば事足ります。入手経路から足が着くこともありませんぞ。【麻理】

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みのさんもお酒強そうだよね

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