超人的ビブリオマニア列伝(3)読子・リードマン(『R.O.D』)


ここでフィクションの人物をご紹介するのは反則かもしれません。でも彼女は日本で最も有名なビブリオマニアですので挙げておきましょう。読子・リードマン(Yomiko Readman)は『R.O.D』という作品の主人公です。

彼女は大英図書館のエージェント。盗まれたり、紛失した貴重な本を探し出して保護するという任務を負っています。高校の非常勤講師という顔も持つ読子は、実は紙を自由自在に操って敵を倒す、コードネーム「ザ・ペーパー」でもあるのです。

『R.O.D』は現在ライトノベル、コミック、OVAアニメ、テレビアニメが作られている人気作品です。

タイトルの”Read or Die”(内藤陳の名訳「読まずに死ねるか!」がぴったり)から分かるように、読子・リードマンは病的とも言えるビブリオマニアです。しかもコレクター型・リーディング型のどちらも究めた複合型。

常に数十冊の本を持ち歩き、本読みの聖地・神田に住んでいます。手に入れた報酬は残らず本に使い込むので古書店の壁には「最重要御得意様」として彼女の顔写真が貼られているほど。本屋まるごと一軒買いもします。

この作品によってマニアックで暗いビブリオマニアの世界が(ほんの少しかもしれませんが)一般に認知されたのは非常に喜ばしいことです。彼女こそビブリオマニア界にきらめく星(スタア)なのであります。

しかし読子萌えしている男性に言っておきたいことがあります。特にアニメやノベルスの印象で「本好きな女の子ってちょっといいかも」と宗旨替えした男性、現実はそんな甘くないんです!

だいたい学生時代の図書委員女子を覚えていますか? 自ら立候補して毎年図書委員をやってしまうような女子、休み時間も友達と話さず一心不乱に本を読み続ける分厚いメガネの女子──なんか顔も名前も思い出せないでしょう?

ひっそりと教室や図書室の片隅に生息する日陰の存在、それがリアル本読み女性。理想と現実だいぶ違うから夢から醒めなサーイ!……あ、すみません。ちょっと私怨入ってましたね。

メガネに、ダサいファッションセンス、おっちょこちょいで、思いこみの激しい性格──。それでも私は読子が大好きです。何より彼女のいいところはプライスレスな希少本もブックオフで100円棚に並んでいる本も東スポも、字の書いてある紙を全て平等に愛しているところです。

そして彼女は本にも愛されている。「本が好き、死ぬほど好き」そう言って本を抱きしめる読子はビブリオマニアの鏡であります。【麻理】

小説・アニメ、マンガといろんなバージョンがありますが、最もビブリオマニアらしさが出てるのがこれ。スピード感あふれるダイナミックなアニメ。

今日のサイト

ああ言えばこう言う辞典

お子さんがいらっしゃる方は必見。「応用編」はあざやかだなあ。

トップへ戻る