言葉が出てこない哀しみ・早期のバイリンガル教育の落とし穴とは?(3)

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バイリンガル教育
海外旅行に行ったとき、外国人と話すとき。少ない語彙で会話するのは大きなストレスを感じますね。「えーっと、何て言うんだっけ」と脳みそを振り絞って考えるあの感じ。早期バイリンガル教育はそんなストレスを抱えてしまうかもしれません。

小学生の一時期、私はアメリカ人家庭にホームステイしていました。当時はまだ英語の語彙も少なくとても苦労しました。

ある時、失敗してして「恥ずかしい」と言いたい時、「sad(悲しい)」という単語を使わざるを得ないことがありました。本当は「embarrassed」や「asshamed」などを使うべきなのに、知らないのでsadとしか言えないのがなんとも辛かったのです。

そしてsadを使っていると、なんだか本当に悲しい気持ちになってきました。気持ちが言葉に引きずられるんですね。私の場合はまだ日本語で自分の気持ち(「恥ずかしい」)を理解していたからいいのです。でもこれが母語でも自分の考えや気持ちを表現できなかったとしたらどうでしょう?

最近「キレる」子どもが多いですね。これ、ひょっとしてあらゆるネガティブな感情を「ムカつく」という1単語ですませてしまっているからじゃないでしょうか。

本当は「イライラする(irritated)」「落ち込んでいる(feel blue)」「気に障る(annoyed)」「悩む(agonize)」「苦しむ(suffer)」「沈む(sink)」「動揺する(upset)」……などいろんな感情があるはずなのに「怒る(angry)」しか知らない状態。

ほんのささいな事でもいきなり「ムカつく」と自分の心を表現してしまうので、実際にキレてしまう。自分の心の状態を頭で理解することができないのは実に不幸です。本当はムカついてないのにムカつくと口にだすことによって、感情が言葉に振り回されるのです。

「あー、ホントは違うのにぃ」と思いながら会話するのは結構イライラしますよね。みなさんも言葉が分からない海外のレストランで上手く注文することができずに「本当は別のものが食べたかったのになあ」と食事をした経験はありませんか?

ドンピシャの言葉が出てこないのは思ったよりも精神に負担をかけます。外国語でもそうなのですから、母語の場合はさらに大きなストレスになるのではないでしょうか。

「母語も第二外国語もどちらも子どものレベルの大人」は哀しい。私は一連のコラムで何度もまずは母語をしっかり話せるようにし、幅広い知識を身につけることを主張しています。

早期バイリンガル教育については賛否両論の意見がありますが、まだ母語が固まっていない時期に外国語を詰め込み、両言語とも低いレベルにとどまってしまう危険性も十分に考慮しなくてはなりません。【麻理】

追記

独立行政法人メディア教育開発センターの調査によると、私大生の19%の語彙力が中学生なみというショッキングな結果がでたそうです。大学生にもなって中学生レベルの日本語力とは嘆かわしい限りです。

なるべくやさしい文章で書くように努めてはいますが、ひょっとしてこのブログもさっぱり意味が分からないという人もいるんでしょうか。不安になってきた……。

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