どの本を読んだらいいのか分からない──そんな時には期間とテーマを決めてみるのも手です。例えば「今月は○○賞作品を片っ端から読もう」「○○に関する本を■■冊読もう」というように。意外な出会いがあるかもしれませんよ。
本を読むことは高尚なことではありません。
学校の先生が「本を読め」と言うからか、一般的には「本を読むこと」イコール「知的な趣味」という認識がありますよね。しかし趣味として本を読んでいる間は仕事をしていない訳ですから、遊んでいるのと同じ。
ましてや本の空想にひたってぼんやりしているビブリオマニアなんぞは、快楽の世界に身をゆだねて抜け出せないでいる人間。決して褒められたもんじゃありません。
「どん欲で自制がきかないなまけ者」は言い過ぎかもしれませんが、「面白いことに目がない遊び好き」ぐらいに考えた方がいいでしょう。
しかし教養としての読書に憧れる人も多いと思います。または自分の子どもが読書家になって欲しいと願う親御さんも。そんな方に私が実行している本読みの方法をご紹介しましょう。それは1ヶ月なり1年なりで読書のテーマを決めること。
つまり「この1ヶ月(1年)は●●を読もう」と目標を立ててみるのです。
ある作家の著作を片っ端から読む
直木賞、乱歩賞などある文学賞の作品を第一回受賞作から読む
映画化・舞台化された作品を一通り読む、フランス書院の官能小説を乱読する(きゃ☆)
新潮文庫の100冊など出版社のセレクト本を一気に読む
なんていかがでしょう。「今年は『池波正太郎』強化年間」と周りに宣言してしまってもやる気が出ます。
とにかくハズレだろうとアタリだろうとある1ジャンルを究めてみましょう。食わず嫌いで敬遠していた作品が以外に面白かったり、知らなかった新人作家の作品がドンピシャでファンになることもあるかもしれません。
ざっと読み終えてみると登山のような達成感とすがすがしさを味わえますし、次は別のテーマに挑戦しようという意欲がわいてきますよ。
私が最初にこの読書習慣の楽しさを味わったのは小学生の時のこと。江戸川乱歩の「少年探偵団シリーズ」でした。
学校の図書室で少年探偵団シリーズを1から順に読んでいって、最後の一冊の図書カードに名前を書いたときの喜びは今でも忘れられません。いっぱしの江戸川乱歩博士になったような誇らしい気分でした。
浅く広い読書もいいですが、この分野ならまかせろという集中型の読書も楽しいもの。でもくれぐれも本の世界から抜け出せないほどはまらないようにご用心、ご用心。【麻理】
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Sherlock Holmes – the case of The Silver Earring detective game.
乱歩の次に手を出したのがシャーロックホームズシリーズ。これもはまった! このサイトでは2枚の絵を比べて、違っているところをクリック。あなたも探偵になれるかな?