文系と理系……こんな古臭く前時代的な分け方、もうやめませんか?


「血液型は?」と同じくらいため息をつきたくなるのが「文系か、理系か」という質問。学歴が理系学部だったか、文系学部だったかという事実についての質問ならまだいい。そうじゃなくて「〜型」「〜人間」「〜脳」みたいな区分ですね。

いえね、相手も別にけんかを売っているわけじゃないことは分かっているのですが、この区別は困ったもんですよ。

文系人間・理系人間というと、なんだか脳の構造が違っているような印象があります。「生まれつき」理数系科目が得意か、語学や社会など文系科目が得意かみたいな。でもそんな医学的な区分なんてありません。

だいたい最近の学問は多くのジャンルで明確な文系・理系の区別がつきません。文系といわれる学部でも統計資料をまとめるために確率・統計の知識が必要だし、数学的な論理的思考があれば論文を書くのに役立ちます。

理系の研究者と言えども山のように論文を書いたり資料を読んだりする読解力と文章力、語学力は必須。「自分は理系だから英語の論文は読めません」なんて甘っちょろい言い訳をしている学生など言語道断。

特に最先端と言われる分野ほど様々な学問との総合的な研究が必要です。

例えば脳研究では神経解剖学、生理学、薬理学、生化学、遺伝学、薬学、臨床医学、情報学、認知科学、生体工学、教育工学、ナノ科学、心理学、言語学、芸術、宗教学……と研究者がお互い協力し合うことで進歩するし、別ジャンルの研究者が組むことで学問のブレークスルーが起こることもあります。

元宇宙飛行士の毛利衛氏はこう語っています。

給料が違うとか、昇進できないとか、明治時代からある現実はすごい壁。しかし、社会には両方の人が必要ですし、個人の中にも両方の要素があるという意味では壁ではない。意識の中に壁ができる一番大きな原因は、高校時代にいや応なく文系・理系に分けられることではないでしょうか

「理系白書:シンポジウム 文系・理系の壁って 構えないで考えて」※リンク切れ)

明治時代からの古くさい壁のためにどれだけ弊害があるか分かりません。日本の大学のシステムは垣根ばかりあって横の連携が弱いから欧米に遅れをとっています。理系とか文系とか言ってるのアジアだけですよ。古いなあもう。

もうこんな前時代的でくだらない区別はやめましょうよ。その第一歩は、私たちが「私は文系人間だから数学は苦手」みたいな安直な言い訳をしないことです。大人が言うから子どもも真似する。

文系と理系の壁なんてただの幻影だと、その呪縛を解き放とうじゃないですか。【麻理】

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