『驚異の百科事典男』を読むと、中学校から高校にかけて読んだ『日本大百科全書・ニッポニカ』との日々が蘇ってきました。あちこちに出てくるエピソードは「私も同じ!」と思うものばかりなのです。
『ブリタニカ』を読み始めてからというもの、ジェイコブズ君はことあるごとに百科事典のウンチクを奥さんのジュリーに話します。テレビを見ていても、食事をしていても「そういえば、こんなこと知ってる?」。その度に、ジュリーにウザがられ、怒られます。
分かるよ、その気持ち。本を読んでいると人に話したくなるんですよ。そして家族や友人にうんざりされるんです。私はブログやサイトでウンチクたれても、あなたのように辛抱強く読んで下さる方がいらっしゃるのだから幸せですよ。いつもありがとうございます。
そして「百科事典を読んでいる」と周りに話したときのデメリットも同じ。言い間違えたり、ある方面に疎かったりすると「そんなことも知らないの? 百科事典読んでるのに」とバカにされます。また挑戦的な人は「自分の方が物知りだ」とあれこれ試すような質問をするのです。
あのね、読んだもの全て暗記してるわけないでしょうが。サヴァン症候群ではないですから。たとえ毎日新聞を読んでいても、全ての新聞記事を暗記してる人なんていないでしょう。「読む」のと「暗記する」のは別。だから私は周りには百科事典読みのことを話していません。
ジェイコブズ君、クイズ・ミリオネアにも挑戦しています。アメリカのミリオネアは賞金100万ドル(1億2000万弱)。日本版とは1ケタ違います。結果は本を読んでいただくとして、クイズ番組に挑戦したくなる気持ちもよーく分かります。私のようなビブリオマニアやウンチクバカが活躍できる場所って社会人になったら、クイズ番組ぐらいしかないんだもん。
私の『ニッポニカ』全巻読み。高校時代は演劇部、生物部、生徒会、図書委員活動、留学と受験勉強があったため、最終巻を読み終えたのは高校を卒業した直後ぐらいでした。嬉しかったなあ。ありがとう『ニッポニカ』。
さて私は「世界一本を読んでいる人間」になれたのでしょうか?
とんでもない。世の中は広く、凄腕のビブリオマニアはたくさんいるのです。百科事典全部読みは、オタキングの岡田斗司夫、ライブドアの堀江社長も学生時代に達成してます。他にも結構いるんじゃないかな。そして「読む」のではなく、博物図鑑全巻を「書いた」荒俣宏のような超人もいるのです。私は井の中の蛙でした。
もちろん今も毎日1冊読んでいますよ。というか仕事があるので「1冊まで」と決めています。これまでもう3万冊は読んだのではないでしょうか。死ぬまであと何冊読めるかなあ。
そしてもう一度『ニッポニカ』を読んでみたくなりました。1日たった50ページ読めば2年で読破できます。もちろんCD-ROM版の『エンカルタ』なんかだめだめ。ビブリオマニアたるもの、紙の本を愛してこそです【麻理】

今日のサイト
X51.ORG : 九千冊の本を暗記する男 ― サヴァン症候群とは(※リンク切れ)
受験の時、山川の日本史教科書を一冊丸暗記したことがある。欄外の注釈から点や丸の位置まで記憶した。授業中に差されても、教科書を見ずに読むことができた。あんなことはもうできない。