世の中には面白い論文を書く人がいるなあと驚きました。南善成氏のユニークな論文をご紹介します。ちょっと前にネットでも「UFO特許」として話題になった宇宙航法について。
一見してトンデモ系に思えますが、内容は真面目なもの。ちゃんと1999年に特許も取ってますよ。研究者は南善成氏。NECのロケット研究者です。
彼は燃料による推進ではなく、「重力のゆがみ」によってロケットを飛ばすという驚きの発想をしています。物理嫌いのあなた、「重力」と聞いてブラウザを閉じるのはちょっと待った。もうちょっと読んでみて下さい。
簡単に言うと重力のゆがみは重い物質が空間をゆがませることです。トランポリンを思い浮かべて下さい。トランポリンに人が乗るとピンと張られた表面がちょっとと沈みますよね。ここにお相撲さんが乗ったらぐぐーっと沈みます。さらにお相撲さんが10人乗ってみたらどうでしょう。ものすごーくトランポリンが沈みますね。
こんな風に重いものがあると周りの空間がぐにゃーっとゆがむんです。これが「重力のゆがみ」。
このトランポリンがぐにゃりと下に沈んでいるような状態で滑車つきのロケットの模型をトランポリンの端っこに置いてみましょう。するとお相撲さんの足もと、つまり一番凹んだ所まですーっとロケットが滑り落ちますね。そしてその落ち込む勢いで反対側の坂を上がっていきます。
さてお立ち会い。この時にロケットが坂を上がりきるぐらいのところにまたお相撲さんが乗っかって、別のくぼみを作ってみたらどうでしょう。またロケットは坂を滑り降りて、勢いで上に登っていきます。これを何度も繰り返せばロケットは進み続けますよね。
南氏はこんなふうに重力によって空間をでこぼこにゆがませて、ロケットが坂を下ったり登ったりするのを繰り返して推進力を得る方法を考えついたのです。うひゃあ、すごいわね。
問題はこのお相撲さんにあたる重〜いものをどうやって作ったらいいのかってこと。南氏曰く「強力な磁場を発生させるべし」と。そして空間がゆがむときたら、ブラックホールですよ。ブラックホールは小さいくせにべらぼうに重い。当然時間も空間もゆがむ。
しかし落っこちたが最後、びよーんと引き延ばされた時間と空間から永遠に出られなくなっちゃいます。こんなあぶなっかしいものの近くをロケットが通過して無事なんでしょうか。
実際のところ実用化は難しそうですが、実にユニークな発想です。面白いなあ。この方法でUFOが飛んでいるのではないかと大きな話題になったのも頷けます。詳しく知りたい方はこちらの「飛翔体特許(※リンク切れ)さんへGO!【麻理】
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この方法ならナチュラルにポジティブシンキングできる。私も学生時代ウサギの足のおまもりをいつも持ち歩いていた。よく考えるとちょっとグロ。